パネライの歴史
1860年、ジョヴァンニ・パネライはフィレンツェのポンテ・アッレ・グラツィエに時計工房を開設。この地における最初の時計学校としてその一歩を踏み出しました。
1910年代に入ると、イタリア海軍の厳しい軍用規格を満たす精密機器の供給をスタート。過酷な要求から生み出された伝説的なダイバーズウォッチは、徹底された機能美を誇るものでした。すべての意匠と機能は、海軍が求める特殊なニーズに応えるべく細部に至るまで緻密に開発されました。これにより、過酷な環境下においても卓越した耐久性と高い信頼性を確実に発揮したのです。
海軍とともに紡いできた数十年もの歴史を経て、1993年、パネライはその創造を世界へと開放します。現在もなお、メゾンの魂はスイスはヌーシャテルに佇むマニュファクチュールにて、卓越したツールウォッチを生み出し続けています。
ブランドの原点
1860 - 1935
1860年
ジョヴァンニ・パネライ、フィレンツェに初の時計店を開設
1860年、ジョバンニ・パネライが、フィレンツェのポンテ・アッレ・グラツィエに時計店を創立。この店は、時計の販売店および工房としてだけでなく、フィレンツェ初の時計製造学校としての役割も担っていました。パネライの歴史はここから始まったのです。
その後、ポンテ・アッレ・グラツィエの改修工事に伴い、1876年以降はフィレンツェ市内の拠点を転々としました。そして1926年、フィレンツェ大聖堂(ドゥオーモ)を臨む大司教宮殿の一角に「Orologeria Svizzera(スイス時計店)」の名を掲げて移転。現在も歴史を紡ぎ続ける、象徴的なブティックの誕生です。
1916年
オフィチーネ パネライ、「ラジオミール」の特許を取得
グイド・パネライ率いるパネライ家は、イタリア王立海軍に向けて水上・水中の戦闘用照準器をはじめとする各種精密機器を供給していました。そうした厳しい軍事的要求に応えるべく、カルロ・ロンコーニ海軍少佐との共同開発により、文字盤の視認性を劇的に高めるラジウムベースの発光粉末を創出。こうして誕生したのが「ラジオミール」です。
「ラジオミール」という名称は、1916年3月23日にフランスで提出された特許の補遺文書に初めて記録されました。この物質がもつ極めて高い自己発光性により、ラジウムペーストは瞬く間にパネライの製品づくりにおいて中核をなす要素となります。そしてラジオミールの特許取得は、革新の歴史を刻み続けるパネライにとって、数ある特許の記念すべき第1号となりました。
1935年
パネライ初のプロトタイプ誕生
1935年、イタリア海軍が新しい水中攻撃車両と操作員に関する機密プログラムをスタート。パネライはこの新たな軍事活動に応えるべく、実用的な技術器具の開発に着手しました。
イタリア海軍が求める基準を満たすため、高い強度を持つ潜水用時計がいくつもテストされました。
イタリア海軍の歴史的な資料には、1935年、ジュゼッペ・パネライが適切に製造された数点の試作品を作動させ、技術的なテストを実施したと記録されています。最高の結果を出したのは、ロレックス・ジュネーブが提供した製品に、パネライが修正を加えたRef. 2533でした。
1940年代
王立海軍とパネライ「Ref. 3646」の誕生
パネライの歴史において重要かつ象徴的な金字塔となったのが、今日「ラジオミール」として知られるプロフェッショナルツールのひとつ、「Ref. 3646」の誕生です。現在、このモデルは多くの点でRef. 3646の特徴を受け継いでいます。直径47mmという大きなスティール製クッション型ケース、夜光数字とインデックス、ケースにはんだ付けされたラグ、高品質の手巻きメカニカルムーブメント(当時、懐中時計に使用されていたコルトベルト/ロレックス製618)、なめし加工を施した耐水レザーストラップ(潜水服の上から着用できる長さ)がその好例です。このモデルの完成により、イタリア王立海軍へのパネライ製腕時計の本格的な定期納入が始まりました。ジュゼッペ・パネライは、時計の機能を改善するために文字盤の構造を修正し、2つの層が重なり合うようにするサンドイッチ構造の文字盤にしました。さらに、上層に陽極酸化処理アルミニウムを用いてインデックスと数字を型抜きし、ラジウム塗料がより明るくはっきりと見えるようにしました。文字盤の視認性を高めるためにレイアウトも変更され、アラビア数字は4つの要所のみで、アワーマーカーとして8つのインデックスが配置されたのです。
1949年
パネライ、「ルミノール」の商標登録を取得
1949年1月11日、パネライはタイムピースに使用される自発光・夜光塗料の商標として「Luminor(ルミノール)」を登録。軍事および民生分野における原子力技術の急速な発展を受け、ジュゼッペ・パネライは放射性物質の取り扱いに対して細心の注意を払う必要性を予見していました。彼はラジウムよりも放射性を大幅に抑え、かつニュートラルな名称を持つ新たな夜光物質の開発を決意しました。十数年に及ぶ研究と実験の末、無害なレベルに極めて低い放射線しか出さないトリチウム(水素同位体)をベースとした新化合物「ルミノール」が完成。ルミノールは、やがて時代の経過とともに、象徴的なリューズプロテクターを備えたパネライを代表するダイバーズウォッチそのものを指す名として定着していくこととなります。
1950年代
クロノグラフのプロトタイプ「マレ ノストゥルム
1940年代にはすでに構想が描かれていたとされる、甲板士官専用のタイムピース開発計画。これに際して、パネライが設計したのが、2つのサブダイヤルを備えたクロノグラフ「Mare Nostrum(マレ ノストゥルム)」です。おそらく1950年代にわずか2〜3本のみが試作されたと考えられ、残されたわずかな写真乾板のみがその存在を物語っていました。しかし2005年、国際的なオークションにて奇跡的に現存した唯一のプロトタイプが復刻され、オフィチーネ パネライ自社のミュージアムによって買い戻されることとなりました。
1954年
REF.6152 & REF.6154
第二次世界大戦後、潜水工作の重要性が高まるにつれ、イタリア海軍からさらに明確な要件が出されるようになりました。軍事用時計には、過酷な状況において、水中に長時間滞在できることが求められました。1954年、Ref. 6152およびRef. 6154という新たな2つのモデルがテストを受けました。
現行モデルのいくつかはこれらのタイムピースからインスピレーションを得ており、より強固で耐久性のある構造を実現するための工夫が盛り込まれています。ケースは一塊の金属から成型され、ハンドルが取り付けられ、形状はクッション型のままですが、側面のエッジがより強調されています。Ref. 6152とRef. 6154には、美的要素に関し個々のパーツに全般的な改良が加えられたほか、「ラジオミール」に使われていた円錐状のリュウズに変わり、チューブ状の円筒型ねじ込み式リュウズが採用されました。
テストの結果を注意深く分析し、さらにいくつかの修正が施され、最終的にRef. 6152//1が誕生。このモデルでは、ラグをケースと同じ一塊の金属ブロックから製造したため、強度が向上しました。
1956年
オフィチーネ パネライによる「GPF 2/56」モデルの開発と、リューズプロテクターの特許取得
パネライはこの頃、「GPF-2/56」と呼ばれるダイバーズウォッチを開発。これはイタリア海軍の承認を得てエジプト海軍に供給されたため、後にエジツィアーノ(Egiziano)として広く知られるようになりました。このモデルによる革新性は目を見張るものがありました。ケース径60mmを誇る圧倒的な存在感のケース、極めて高い防水性能、そしてムーブメントには8日間のロングパワーリザーブを備えたスイス製「アンジェリュス SF 240」キャリバーを採用していたのです。潜水時間を測定するための回転ベゼルを備えたこのエジツィアーノ(Egiziano)は、現在の「サブマーシブル」コレクションのインスピレーションの源流となっています。本作において、パネライのタイムピースを象徴する最大のアイコン「リューズプロテクター」が初めて導入されました。この画期的な機構は、1956年に「グイド・パネライ&フィリオ(Guido Panerai & Figlio)」社によって国際特許が取得されています。
1960年代
パネライのタイムピース「ルミノール」の進化
パネライのRef. 6152/1は、1960年代にも進化を続けました。サンドイッチ構造の文字盤を組み立てる工程で、ラジウムを原料とする塗料の使用が廃止され、「ラジオミール」という名称も使われなくなりました。その代わりに夜光塗料として採用されたのが、放射性物質の含有量が少ないトリチウムを原料とする新素材「ルミノール」です。Ref. 6152/1のミドルケースには、ブリッジ型リュウズプロテクターが取り付けられました。およそ80個のタイムピースに、8日間のパワーリザーブを誇るスイス製手巻き機械式キャリバー「アンジェリュス SF 240」が初めて搭載されました。これにより、圧倒的なロングパワーリザーブは、パネライというブランドのDNAを形成する本質的な要素となったのです。一部のモデルでは、重厚な密閉式裏蓋の代わりに、内部機構が見えるよう中央に透明なアクリルガラスを使用した裏蓋が採用されました。つまり、シースルー裏蓋を持つタイムピースの製造に関し、パネライは先駆的な存在であったと言えます。この時期に大きく発展し、パネライのモノづくりにおいてもうひとつの重要な章をなすのが、イタリア海軍からの要請に応じて開発・供給された各種の精密機器です。コンパスをはじめ、異なる測定範囲を備えたリスト水深計、そして深海の過酷な水圧に耐えうる優れた堅牢性を備えた水中信号灯などが手がけられました。
また1966年、パネライは「エレクトロルミネセンス」の略称である「Elux」の特許を取得します。電気(Electro)と、ラテン語で光を意味する(Lux)に由来するその名は、卓越した発光技術を追求し続けるパネライならではの真骨頂を完璧に体現しています。
1972年
「G. パネライ&フィリオ」社、変革の年
1972年、グイドの息子であるジュゼッペ・パネライが他界。イタリア海軍との独占供給契約は、元海軍技術将校であるエンジニアのディーノ・ゼイ氏へと引き継がれ、彼が同社の新CEOに就任しました。これに伴い、社名は「G. パネライ&フィリオ」から「オフィチーネ パネライ S.r.l.」へと変更。ここに、公式ブランド名としての「オフィチーネ パネライ」が誕生したのです。
1985年
「ミッレメトリ(MILLEMETERS)」モデルの試作品
パネライの技術部門は、1970年代から80年代にかけて、時計製造とダイビングにおけるあらゆる技術進歩を統合した新しいダイバーズウォッチを設計しました。このモデルは、イタリア海軍が使用する機器の選定に用いられる厳しいテストを受けることになりました。ケース径47mmの革新的なチタン製ケースには、象徴的なレバーロック機構付きリューズプロテクターと回転ベゼルを継承。さらに、インデックスや指針には夜光物質を封入した微小な円筒形カプセル「Traser®(トレーサー)」が採用され、卓越した視認性を実現しました。数々のテストにより、この特別なタイムピースが水深1,000メートル以上の過酷な水圧にも余裕をもって耐えうることが証明されました。この卓越した防水性能に因んで、本作は「Millemetri(ミッレメトリ)」と名付けられたのです。
一般市場への参入
1993年 - 1997年
1993年
オフィチーネ パネライ、ファーストコレクションを発表
1980年代後半に世界的な広がりを見せた深刻な経済・政治的危機に立ち向かうべく、オフィチーネ パネライは一般向け時計市場への参入を決意。イタリア海軍特殊潜水部隊のために製造された歴史的モデルに着想を得た、シリアルナンバー入りの限定コレクションとして、44mmの「ルミノール」および「ルミノール マリーナ」、そして42mmの「マレ ノストゥルム」クロノグラフの3モデル(計10リファレンス)を発表します。この決断により、オフィチーネ パネライ最高経営責任者のゼイ技師は、同社製品に課されていた軍事機密の保持から解放されることとなりました。そして発表されたタイムピースは、世界中のコレクターや愛好家が熱望する羨望の的となっていきます。コレクションの発表会は、1993年9月10日、ラ・スペツィア軍港に停泊するイタリア海軍の駆逐艦「デュランド・デ・ラ・ペンネ」艦上にて執り行われました。式典には、かつてイタリア海軍潜水部隊の最高指揮官を務めたアイモーネ・ディ・サヴォイア卿の息子である、アオスタ公アメデーオ殿下も参列しました。
1997年
オフィチーネ パネライ、高級時計市場のトッププレイヤーへ
1997年3月18日、リシュモン グループ(当時のヴァンドーム グループ)がオフィチーネ パネライ社を買収。これを受け、同社は直ちにイタリア国内で限定的なパイロット流通ネットワークの展開を開始します。その目的は、グループ内の組織構造やリソースが生み出すシナジーを最大限に活用し、製造および商業における戦略を精緻に磨き上げることでした。
国際展開
1998年 - 2002年
1998年
国際的な高級時計市場へのデビュー
1998年4月、パネライはSIHH(Salon de la Haute Horlogerie of Geneva)に参加し、国際的な高級時計市場にデビューしました。この時のコレクションは、直径44mmの「ルミノール」と「ルミノール マリーナ」が3種類、そして細くなったベゼルとねじ込み式裏蓋を持つ、直径42mmの「マーレノストゥルム」クロノグラフで構成されていました。この瞬間から、パネライは高級スポーツウォッチの分野で国際的な名声を獲得し、大型の腕時計というトレンドを世界中に広めたのです。さらに1998年、パネライは「ラジオミール」の特別限定復刻モデルを世界限定60本で発表。クッション型ケースはプラチナ製で、ねじ込み式リュウズと当時のロレックス製オリジナルムーブメントを搭載しています。
2001年
オフィチーネ パネライ:原点への回帰
細部に至る入念な修復を経て、パネライの歴史的なブティックがリニューアルオープンを果たします。オフィチーネ パネライが創業家から譲り受けたフィレンツェのサン・ジョヴァンニ広場の店舗は、当時の趣を残しながら装いを新たに整えられました。このブティックはブランドのコレクターや愛好家が集う場となり、現行コレクションはもちろんのこと、パネライが直営ブティックのためだけに用意する特別な限定モデルや限定制作のタイムピースが揃えられています。
2002年
スイスのヌーシャテルにマニュファクチュールを開設
スイスのヌーシャテルに「パネライ マニュファクチュール」が開設され、この年はオフィチーネ パネライにとって大きな節目となりました。卓越したスイスの時計製造技術、独自のデザイン、そしてノウハウがひとつの拠点に結集。企画、開発、そして継続的な研究を通じて、技術および機能面における新たな可能性を切り拓くこととなりました。さらにオフィチーネ パネライは、香港の格調高い商業施設「ランドマーク・プリンセス(Landmark Prince's)」内にアジア初となるブティックをオープンし、東洋市場への進出を果たしました。
パネライ マニュファクチュール
2005年 - 2023年
2005年
オフィチーネ パネライ、初の自社製ムーブメントを発表
オフィチーネ パネライが、初の自社製ムーブメント「キャリバー P.2002」を発表。これは1950年代半ばに採用されていたアンジェラス製ムーブメントと同様、8日間のパワーリザーブとGMT機能を備えた手巻きキャリバーでした。
このキャリバーの名前は、オフィチーネ パネライが自社製造施設をオープンした年にちなみ、フィレンツェで誕生したブランドが誇る高度な時計製造技術を讃えるものです。
2007年
オフィチーネ パネライ、新たな自社製キャリバーを発表
オフィチーネ パネライ自社設計・開発による3つの新たなキャリバー、「P.2003」「P.2004」、そして革新的な「P.2005」が発表されます。なかでも「P.2005」は、自社ならではの工夫を施したエレガントなトゥールビヨンを搭載。この高度な複雑機構の伝統を継承しつつ、独自のイノベーションをもたらしました。テンプと脱進機を納めたキャリッジは、テンプの軸と平行ではなく、垂直に配置された軸を中心に回転します。また、キャリッジが1分間に1回転する従来のトゥールビヨンとは異なり、オフィチーネ パネライのトゥールビヨンは30秒で1回転します。
2008年
オフィチーネ パネライ、自社製キャリバー「P.9000」および「P.2006」を発表
3日間のパワーリザーブを主たる特徴とする「P.9000」キャリバーは、「ルミノール」および「ラジオミール」の一連のモデルに搭載されます。一方、「P.2006」はシングルボタン クロノグラフ キャリバーである「P.2004」を進化させたもので、10時位置に配置された2つ目のボタンで操作するスプリットセコンド機能を備えています。
2009年
オフィチーネ パネライと海への情熱
海への情熱を称え、オフィチーネ パネライは名門フィフ造船所で1936年に建造されたバミューダケッチ「アイリーン(Eilean)」を取得および修復します。ヴィアレッジョのフランチェスコ・デル・カルロ造船所による熟練の修復作業により、3年もの歳月をかけてアイリーンは本来の美しさを取り戻し、再び海へと戻りました。4万時間にも及ぶ作業を経て、10月22日、ラ・スペツィアのイタリア海軍ヨットクラブにてアイリーンの進水式が挙行されたのでした。同時期、パネライが1956年にエジプト海軍のために製作したモデル「GPF 2/56」の復刻版が発表され、ブランドの愛好家たちから大きな注目を集めました。
2010年
ガリレオ・ガリレイへのオマージュ
ガリレオ・ガリレイによる初の天体観測から400周年を迎えたことを記念し、オフィチーネ パネライはこのトスカーナ出身の天才科学者に捧げる極めて精緻な3つのモデル「ラストロノモ」「ロ シェンジアート」、「ジュピテリウム」を発表します。「ジュピテリウム」は、永久カレンダーを搭載した天体時計です。地球を中心に捉えた視点から、天球上における太陽、月、そして「ガリレオ衛星」として知られる木星の主要な4つの衛星(イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト)の位置関係を映し出します。これら4つの衛星は、1610年にガリレオが望遠鏡の発明によって初めて観察したものです。また同年、オフィチーネ パネライはSIHH(ジュネーブ国際高級時計サロン)にて、自社製「P.999」キャリバーと、初の「パネライ コンポジット」採用モデルを発表しました。
2011年
オフィチーネ パネライ、ブロンズ製タイムピースを発表
「ルミノール サブマーシブル 3デイズ オートマティック ブロンゾ」を発表。パネライはこのモデルにおいて、時を重ねるごとに増す風合いが魅力であり、歴史的に深いつながりを持つ海洋の世界を想起させるブロンズを初めて採用しました。また同年には、ブランドの時計製造技術を結集した自社製手巻きキャリバー「P.3000」が誕生。さらに米国フロリダ州バルハーバーに30店舗目となるブティックをオープンしました。
2012年
過去へのオマージュ:パネライは歴史的なケースを持つ2つの「ラジオミール」モデルを発表
オフィチーネ パネライは、2つの「ラジオミール」スペシャルエディションを通じて、歴史からインスピレーションを得た特別なケース構造を再現。1930年代末のプロトタイプや生産モデルとは異なり、1950年代に製造された一部の歴史的モデル(Ref. 6152/1)では、ラグが溶接されたスチールワイヤーではなくケース本体と一体成型され、より優れた耐久性と堅牢性を誇っていました。新たな「ラジオミール」モデルは、伝統的な47mm径でこの特別なケース構造を踏襲。ダイヤルを保護するアクリルガラス風防をはじめ、丸みを帯びたベゼルや円筒型リューズなど、歴史的モデルに着想を得たディテールを随所に取り入れています。
2013年
3つの新たな自社製ムーブメントが示す、オフィチーネ パネライのさらなる進化
オフィチーネ パネライから、3つの新しい自社製ムーブメントが登場。パネライ初のクロノグラフ・フライバック機能付き自動巻きムーブメントであるキャリバーP.9100、レガッタカウントダウン機能が付いた高度なP.9100/R、そして8日間のパワーリザーブを発揮する新しい手巻きキャリバーP.5000です。新しいコレクションには歴史を反映した魅力的なケースと同じブロックで作られたラグを備えたラジオミール ウォッチや、新シリーズ「サブマーシブル」のモデルも発表されました。ジュネーブでのSIHHでは、目を見張るようなセラミック製の「ポケットウォッチ トゥールビヨン GMT セラミカ」を披露しました。
2014年
新マニュファクチュールを開設
スイス・ヌーシャテルの丘陵地帯にあるピエール・ア・ボットに、オフィチーネ パネライの新しいマニュファクチュールがオープンしました。この新施設では、高級時計製造に関する高度な専門技術が一堂に会し、イタリアの優れたデザインと、スイスで生まれた伝統的な技術を融合させています。パネライは2002年に最初のマニュファクチュールを開設して以来、多彩な自社製ムーブメントを開発してきました。これらのムーブメントは、GMTや様々なクロノグラフ、さらには長時間のパワーリザーブから独自の特徴を持つパネライ トゥールビヨンまで、高級時計にふさわしい極上の機能を備えています。2014年、パネライは自社製自動巻きムーブメントP.4000を発表。オフセンターのローターを特徴とするこのムーブメントには、極めて洗練された時計製造技術とデザインが完璧に調和しています。
2015年
香港廣東道のブティックをリニューアルオープン
パネライは、香港廣東道にあるブティックを正式にリニューアルオープンしました。これによってこのブティックはパネライ最大の店舗となりました。他のどのパネライ ブティックにもないこの香港ブティックだけに見られる特徴が、波状にうねるアルミ製のパネルでできた独特なファサードで、パネライならではの文字盤を備えた大型のウォールクロックが取り付けられています。同年中には、技術面でもデザイン面でもパネライの最高傑作であることが一目でわかるキャリバー、パネライ自社製P.1000ムーブメントを発表しました。これは全体の厚さがわずか3.85㎜という洗練された機械式ムーブメントで、パネライの専門技術が極めて優れたものであることを示しています。
2016年
「ラジオミール 1940 ミニッツリピーター カリヨン トゥールビヨン」を発表
「ラジオミール ミニッツリピーター カリヨン トゥールビヨン」を発表。ヌーシャテルのパネライ マニュファクチュールが手掛けた、技術的に最も複雑なタイムピース。独自のトゥールビヨン レギュレーターに加え、ローカルタイムまたは第2時間帯の時刻を音で知らせる格別なダブル ミニッツリピーター機構を搭載しています。洗練されたゴングとハンマーのシステムにより、正時、10分単位、そして1分単位の時刻を音で報知します。
2017年
革新的素材とアメリカズカップ
「アイデアの工房」(Laboratorio di Idee)の創造力を実証する革新的な時計、「ルミノール LAB-ID カーボテック™ 49mm」を発表。カーボンの無限の可能性を引き出す画期的な技術開発に基盤を置くこの新製品は、最先端技術の特徴を備え、まったく新しいブラック文字盤と50年間の保証が付属しています。
同じく2017年には、スティールよりも硬くて軽い素材を使用した「サブマーシブル BMG-TECH™ 47mm」を発表。BMG-TECH™ は、不規則な原子構造を持つバルク金属ガラスであり、高温での高圧注入プロセスを経て製造されます。
さらに、世界一有名なヨットレースである第35回アメリカズカップの公式パートナーとなり、オラクル・チームおよびソフトバンク・チームのパートナーを努めました。
2018年
コンプリケーション & ハイエンド テクノロジー
SIHH 2018の期間中、パネライは次の2つの革新的技術を発表しました。1つ目は、3Dプリントのチタン製ケースおよびトゥールビヨンレギュレーター付きP.2005/T スケルトンムーブメントが搭載された「ロ シェンツィアート - ルミノール トゥールビヨン GMT」。この「ルミノール トゥールビヨン GMT」は、間違いなくヌーシャテルにあるパネライ マニュファクチュールで製造された極めてテクニカルで驚異的なクリエーションの1つです。
同年発表された2つ目の複雑機構搭載モデルが、「ラストロノモ - ルミノール 1950 トゥールビヨン ムーンフェイズ イクエーション オブ タイム GMT」です。ムーンフェイズ表示と日付を示す偏光ガラスを用いた革新的なシステムを備えたオフィチーネ パネライ初のクリエーションであり、高級時計製造における伝統的な複雑機構を、パネライ独自の解釈によって表現しています。
2019年
新しい時代の始まり:刺激的な体験とインスパイアリングなパートナーシップ
製品とサービスをセットにした販売プランとして、非常に魅力的なイベント「エクスペリエンス」を開始。最初の「エクスペリエンス」では、33人のお客様がイタリア海軍特殊部隊COMSUBINを体験しました。次の「エクスペリエンス」はフランス領ポリネシアで開催され、15人のパネライオーナーたちがブランドアンバサダーのギヨーム・ネリーと共にパーソナライズされたユニークな体験をする機会を得ました。
ウォッチズ&ワンダーズにおける最大のニュースのひとつが、パネライとルナ・ロッサによるパートナーシップ協定の締結です。このパートナーシップによって、パネライはルナ・ロッサの公式スポンサーとなり、アバンギャルドでたぐい稀な機能を備えた時計シリーズを制作することになりました。
同じく2019年には、サブマーシブルがルミノールから離れ、1つの製品シリーズとして独立したコレクションを展開することになりました。
2020年
ルミノールと第36回アメリカズカップ2020の年
ルミノールという名前の使用に関して国際的に特許を申請してからちょうど70年後のこの年、さらに優れた発光性を備えた、鮮やかで革新的なモデル、ルミノールマリーナ 44mm(PAM01117)を制作。これには70年間の保証が付属しています。
また、2020年、パネライは進化の旅を続け、壮大なルミノール マリーナの表現力豊かな個性を再定義しました。ルミノール マリーナの新たなスタイルは、よりシンプルで機能的、そしてモダンであることを意図しています。
第36回アメリカズカップ2020では、パネライはルナ・ロッサ プラダ ピレリチームのパートナーに。第36回アメリカズカップ2020のチャレンジャー・オブ・レコードであるこのチームのためにデザインされた4つのアイコニックな時計をルナ・ロッサ コレクションから発売しました。パネライがタイムピースを制作することは大変誇りであり、卓越性と革新性を備えたこれらのタイムピースは海と結びついた新しいイタリアの物語を表現しています。
2022年
サブマーシブル クアランタクアトロ
2022年、パネライは新しいサブマーシブル クアランタクアトロを発表しました。サブマーシブル ダイバーズウォッチ コレクションの礎となるこのモデルは、既存の47mmと42mmに44mmのケースサイズを追加して再登場しました。サブマーシブル クアランタクアトロには、サブマーシブルシリーズの特徴であるすべての必須機能が備わっています。300mまでの防水性、リュウズプロテクター、逆回転防止ベゼルなど、すべてはパネライの海との長年にわたる密接なつながりに因んだものです。
2023年
1860年から続く、伝説の物語
ブランドの正統な歴史にオマージュを捧げ、ルーツに立ち返るこの年は、最も歴史的なコレクションであるラジオミールに、力強いヴィンテージの美学と現代的な再解釈を与えました。2023年は、ブランドの主要な柱として、最も歴史的なコレクションを再構築する年でした。
ラジオミール オット ジョルニはパネライの伝統と歴史へのオマージュ、ラジオミール クアランタはイタリアのセンスとエレガンスの融合、ラジオミール コンプリカツオーニはイタリアの創造性とスイスの時計製造の融合です。
THE LUMINOR ICON: TECHNICAL EVOLUTION AND PERFORMANCE
2024-2026
2024年
ルナ・ロッサとサブマーシブル Elux LAB-ID
第37回アメリカズカップの開幕に先立ち、最高峰のパフォーマンスと革新への飽くなき追求、そしてブランドと海との深い絆を象徴する新たなタイムピース・コレクションを披露。同年、アメリカズカップのテクノロジーや素材、そしてルナ・ロッサ チームの知識やニーズからインスピレーションを得て、革新的な新素材「Ti-Ceramitech™」を発表しました。特許取得済みのこの素材は、チタンの軽さとセラミックの耐性を兼ね備えています。スチールより44%軽く、2倍の硬度を持ち、従来のセラミックに比べて10倍の耐破壊性を実現しました。
革新への飽くなき探求のもと、パネライは画期的なコンセプトウォッチ「サブマーシブル Elux LAB-ID」を誕生させます。8年以上の開発期間と4つの特許出願を経て結実したこのモデルには、Ti-Ceramitech™素材が採用されています。本モデルの中核をなすのが、先駆的な「パワー ライト機能」です。完全な機械式ムーブメントでありながら、オンデマンドで30分間の連続発光を可能にしました。この革新的な技術は、パネライの卓越した発光技術の伝統を称えるとともに、1966年に取得した特許へのオマージュでもあります。「サブマーシブル Elux LAB-ID」は、時計業界にこれまでにない技術革新をもたらしました。
2025/2026年
ルミノール アイコン: 技術革新とパフォーマンス
2025年、パネライは新たな「ルミノール マリーナ」コレクションを発表。ブランドを象徴するアイコンが最先端の技術的スペックを備えて進化を遂げました。500mの防水性能、シースルーバック、耐衝撃性を向上させる両持ちバランステンプ受け、正確な時刻合わせを可能にする秒針停止機能、そして手軽にストラップ交換ができる「PAM クリック リリース システム™」を搭載。
歴史的傑作「Ref. 6152/1」のケース構造を礎とし、今年のルミノール コレクションは、機能的なヘリテージという視点からその系譜を再考しています。象徴的なプロポーション、視認性を最優先したダイアル、ヴィンテージの面影、そして現代の技術。パネライの軍事的背景から形づくられ、現代のパフォーマンスのために開発された、真のツールウォッチ ファミリーがここに集結します。
これは、パネライの研究開発部門「アイデアの工房(Laboratorio di Idee)」が誇る野心的な技術的偉業です。ブランドの象徴であるロングパワーリザーブの伝統を継承する「31日間パワーリザーブ」が初めて登場し、革新は新たな頂点に達しました。ルミノールは技術とデザインの進化を通じて伝統と現代的なパフォーマンスを融合させ、今もなお、パネライのアイデンティティの中核であり続けています。歴史的傑作「Ref. 6152/1」のケース構造を礎とし、今年のルミノール コレクションは、機能的なヘリテージという視点からその系譜を再考しています。象徴的なプロポーション、視認性を最優先したダイアル、ヴィンテージの面影、そして現代の技術。パネライの軍事的背景から形づくられ、現代のパフォーマンスのために開発された、真のツールウォッチ ファミリーがここに集結します。